PC-Transer活用法
ユーザ辞書の活用法
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翻訳ソフトで正しい訳文を得るためには辞書のカスタマイズが欠かせません。いくら登録語数の多い専門辞書を設定してもなかなか思い通りの訳語が出力されないものです。また、訳語の指定がある場合はユーザー辞書の登録は必須です。今回は、ユーザー辞書の機能を見てまいりましょう。


●ユーザー辞書は一括登録する

 ほとんどの翻訳ソフトにはユーザー辞書の機能がついています。見出し語を入れて品詞を選択し、訳語を入力して登録します。見出し語の変化形と訳語の活用も規則的なものについては自動的に設定されるようになっているはずです。一般ユーザーならば十分な機能ですが、翻訳実務では数百から場合によっては数千語のユーザー辞書を迅速に作成する必要があります。それを一つ一つ入力していたのでは仕事になりません。そこで、業務用の翻訳ソフトにはユーザー辞書の一括登録機能が搭載されています。この機能を使いこなせるかどうかで生産性が大きく変わってきます。
 ユーザー辞書を一括登録するには、先ず辞書ソース・ファイルを作成する必要があります。記述形式は翻訳ソフトによって異なります。ここでは、PC-Transerの辞書ソース形式を紹介します。
 辞書ソースの基本的な記述形式は次のようになっています。

 見出し語(品詞,見出し語活用形タイプ,不規則活用形):[意味素性]訳語:辞書フラグ:ケース記述

 このように詳細に記述することもできますが、省略して簡易登録することもできます。実務で登録するのはほとんどが名詞です。一括登録で安全に処理できるのも名詞です。名詞を簡易登録するには、以下のように記述します。

 見出し(n.*):訳語

 辞書ソースはテキスト・エディタを使って作成しますが、大量に処理する場合はエクセルなどの表計算ソフトを利用すると良いでしょう。見出し語と訳語の間に列を挿入して「(n.*):」をコピーします(図1参照)。「n.* 」は名詞の複数形が規則活用するということです。固有名詞などで複数形を登録する必要がない時は「(n):」とするか「見出し語+タブ+訳語」だけでも登録できます。

<図1>エクセルでユーザー辞書ソースを作成する
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