翻訳ソフト実践ワークショップ
第1回 原文の読み込みと前処理 【演習】

保存の方法

PC-Transer形式での保存

PC-Transer形式で保存するには、「ファイル」→「名前を付けて保存」をクリックします(図1)。
(図1)

「名前を付けて保存」ウインドウが表示されたら、保存する場所とファイル名を指定して「保存」ボタンをクリックします(図2)。
拡張しは「.edh」となります。この形式では対訳のほかに、翻訳設定情報も保存されます。
(図2)

この形式で保存しておくと目的に応じていろいろな形式で出力できます。作業開始時には必ず名前を付けて保存しておくことをお勧めします。また、修正を加える度に「上書き保存」するクセを付けましょう。(いつフリーズしてもいいように用心深く)。ショートカット・キーは「Ctrl+S」です。

テキスト出力

テキスト・エディタやワープロ・ソフトなどで利用できるように、テキスト形式で保存することができます。
テキスト保存をするには、「ファイル」→「テキスト出力」をクリックします(図3)。
(図3)

「テキスト出力」ウインドウが開いたら(図4)、保存する場所とファイル名を指定し、「詳細」にチェックを入れます。
「用途」を選択するとファイル名に自動的に対応する追加の記号+拡張子が付けられます。
用途には、「原文ファイル」「訳文ファイル」「編集ファイル」「対訳ファイル」の4つがあります。
(図4)

原文ファイル

原文ファイルには自動的に「.txt」の拡張子が付けられます。
保存したファイルをテキストエディタで開いてみます(図5)
このように、原文(英文)のみが保存されています。
(図5)

訳文ファイル

訳文ファイルには、入力したファイル名の後に「_j.txt」が付加されます。
保存したファイルをテキストエディタで開いてみます(図6)
このように、訳文(和文)のみが保存されています。
(図6)

対訳ファイル

対訳ファイルには、入力したファイル名の後に「.out」が付加されます。
保存したファイルをテキストエディタで開いてみます(図7)
(図7)

--/H
(原文)英文
(訳文)日本文
--/H
(原文)英文
(訳文)日本文

よく見ると、このような形式で原文と訳文が上下に並んでいます。
Hは人間が手を加えたという印です、一次出力のまま全く手を加えていなければ「--/M」となります。
「M」はMachine Translation(機械翻訳)のMだそうです。

このファイル形式は大変応用価値があるのでしっかり覚えておいてください。
例えば、エディタなどでこの形式で英文と和文を並べて拡張子を「.out」で保存しておいて、PC-Transerで開くと左右対訳で表示されます。いわばPC-Transerを対訳ビューワーのように使うことができます。
また、対訳ファイルは「翻訳メモリ」に一括でインポートすることができます。
さらに、テキスト・エディタに付属するグローバル(GREP)検索を使えば簡易コーパスとしても活用できます。

編集ファイル

「編集ファイル」は、「編集モード」に表示される形で保存されたもので、編集をしていない限り「訳文ファイル」と同じ出力結果になります


編集は「編集モード」で行います。
対訳エディタの「モード変更」ボタンをクリックスすると「編集モード」に切り替わります。ここでは、行空けやインデントなどが原文のレイアウトの通りに表示されます。

編集モードでは、原文と訳文の表示をセルごとに指定できます。通常、対訳エディタで翻訳済みの場合は訳文が表示されますが「翻訳パレット」の「訳文選択」のチェックをはずすと原文が表示されます。
プログラムのコードなどが翻訳されている場合などこの機能で原文に戻してやることができるのです。

(図8)ではJAVAの説明文の途中にあるコードが「class Gauss〜」→「クラス・ガウス〜」のように翻訳されているのを、その部分だけ翻訳パレットで原文に戻したところです。
(図8)

このファイルを「訳文ファイル」で保存すると、コードの部分が訳されたまま出力されます(図9)。
(図9)

「編集ファイル」で保存すると、このようにコードの部分が原文に戻された状態で出力されます(図10)。
(図10)

出力用スクリプト

「開く」時と同じように、テキスト出力にも「スクリプト」機能があります。
そのなかでも便利なのが「ユーザー後処理して出力」です(図11)。
(図11)

これは「開く」にあった「ユーザー前処理して読み込み」と同じような機能で、一括で検索・置換してファイルに書き出すものです。
あらかじめ「postfilter.txt」というファイル(図12)に検索語と置換する語を入力しておきます。最終的な用語の変更などに利用できます。正規表現が使えます。
(図12)

月刊『eとらんす』 2003年11月号連動  Copyright© 2003 Babel K.K. All Rights Reserved.