シラバス
講座名称 リーガル翻訳英文法
講義回数 16回
プロフェッサー 清水和子(しみずかずこ)

上智大学比較文化学部卒業・日本語言語体系を専攻。上智大学法学部卒業・国際関係法を専攻。テンプルユニバーシティ・ロースクール法学部修士課程を卒業。LLMを取得。バベルユニバーシティ(教室授業)で法律翻訳を学び後に英日契約書翻訳、訴訟文書翻訳などの担当講師を勤める。1990年代より翻訳に従事し、NHK番組の翻訳・契約書翻訳、法律翻訳に携わる。
インストラクター 高田 道子 (たかだ みちこ)  

早稲田大学法学部卒業。東芝法務部勤務、国際契約交渉を担当。東芝退職後、法律翻訳のフリーランストランスレーターとして法律文書の英訳、和訳を行う。
講座概要 各レッスンの表題に掲げた公式を念頭に置き、レッスンごとのテーマに添って、ユニットごとの例示を参照しながら練習問題をこなし、課題文の添削を受けることで、入り組んだ長文でも短時間で的確な訳出をこなせる法律翻訳の基礎力を付ける。
講座の目的
(コースオブジェクティブ)
本講座の目的は、法律文に適用する翻訳英文法(英語日本語の構文上の差異に着目した翻訳技法)の知識とスキルを得さしめることにある。
講座の学習成果
(ラーニングアウトカム) 
本講座を修了した学生は、法律文に適用する翻訳英文法を使いこなし、的確で効率的な法律文の翻訳が出来るようになる。 
講義の進行システム 1. テキストを見ながら音声講義を聴講する
2. 練習問題を翻訳し解説を参考に自己学習する
3. Q&Aシステムで疑問点を解決する
4. 提出課題に取り組む
配布物(テキスト他) オリジナル教材(テキスト、ワークブック)
* 本コースのためのプロフェッサーのオリジナル執筆。バベル翻訳大学院著作権保有。
コースアウトライン 16講の講義及び翻訳演習を行う。
1 「全体の流れを掴む:英文法の基本類型を意識せよ!」
Unit 1. 「S+V」の類型
Unit 2. 「S+V+O(C)」の類型
Unit 3. 「S+V+O+O(C)」の類型
2 「文章上の意味に則した品詞の転換(名詞編)!」
Unit 1. 意味上の主語を探す
Unit 2. 事物主語と動作主体の転換
Unit 3. 名詞を疑問文で訳す
3 「品詞の転換:名詞を動詞のように読み解け!」
Unit 1. 抽象名詞の動詞化
Unit 2. 前置詞+名詞の動詞化
Unit 3. 所有格+名詞の動詞化
4 「品詞の転換:形容詞は、場合により、「述語化、副詞化する」、と心得よ!」
Unit 1. 否定形容詞、「NO」を従属節副文に
Unit 2. 否定形容詞の述語化と副詞化
Unit 3. その他の形容詞の副詞に
5 「助動詞が表現する義務、許可、予見、及び要件は、法文が求める法的場面を考慮して訳せ!」
Unit 1. 作為義務と不作為義務の表現方法――"shall"
Unit 2. 許可及び権能を示す助動詞"may"
Unit 3. 予見表現"will"と要件表現"must"
6 「本動詞の権利、権限、義務表現は、文脈に注意して訳せ!」
Unit 1. 有責性を表わす語彙の表現方法
Unit 2. 権利の態様についての表現
Unit 3. 権限、権能、特典の表現方法
7 「動詞表現は、一般用法との違いに留意せよ!」
Unit 1.  一般用法とは異なる表現
Unit 2. 法的に特別な意味を持つ表現
Unit 3. 正確性を要する表現
8 「関係代名詞は、”訳し下ろし“技法を活用せよ!」
Unit 1. 一旦切り、その上で接続詞を補う
Unit 2. 関係代名詞を条件文で訳す
Unit 3. 非制限用法は、説明文に徹する
9 「時の表現は、日本語の感性に合わせた表現に徹せよ!」
Unit 1. 時制の一致は、無視
Unit 2. 英文の現在形の訳出は、過去形に
Unit 3. その他、時制を意識した表現
10 「法律文中の仮定的用法は、条件節と心得よ!」
Unit 1.  仮定法接続詞、"if"と"unless"
Unit 2.  二重条件、時差を含む二重条件
Unit 3.  "should"及びその他の条件節
11 「法律文独特の形態を習得せよ!」
Unit 1.  但し書(provided that)の克服
Unit 2.  相反する状況表現の克服
Unit 3.  理由・根拠・原因説明表現の克服
12 「受動態は能動で訳すべし:助詞「は」「が」を活用せよ!」
Unit 1.  助詞「は」「が」の活用
Unit 2.  主語を「これを」で受け、能動で訳す
Unit 3.  「を」を補って能動で訳す
13 「法律文独自の意味を持つ語群は、暗記で征服せよ!( Part 1)」
Unit 1. 時間的猶予を示す語彙の表現
Unit 2. "including""without"が示す法的意味と、その表現
Unit 3. 行為の連帯と同一性を示す用語の表現
14 「法律文独自の意味を持つ語群は、暗記で征服せよ!(Part2)」
Unit 1. "respectively" と "as the case may be"
Unit 2. "said(such)" と "the matter in question"
Unit 3. "if" " as"を含む慣用句
15 「重畳語は、「一まとめ」で考えよ!」
Unit 1. 「動詞連結及び名詞連結」の表現方法
Unit 2. 「前置詞連結及び従属接続詞連結」の表現方法 
Unit 3. 「形容詞連結」の表現方法
16 「冠詞、名詞の単複形の訳出は、文脈により変化すると心得よ!」
Unit 1. 不定冠詞の表現方法
Unit 2. 定冠詞の表現方法
Unit 3. 複数形の表現方法
修了要件 1. 全課題提出
2. 最終試験の評価がB以上
評価 得点
A 85〜100
B 70〜84
C 60〜69
D 50〜59
F 49以下
各講ごとの提出物は、評価シート(評価点数及び評価コメント)と添削及び解説を付してお返しします。

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