| 詳細登録画面の表示ツールバーの「辞書」ボタンをクリックして、「辞書登録」画面を開きます。最初は、図1のように簡易登録の画面になっているはずです。ここで「詳細登録」ボタンをクリックしてください。
 
 (図1)画面の下部が展開されて詳細登録用画面が表示されます。(図2)
  この画面は品詞によって変化します。
 (図2)
  名詞の登録以下の文で、briefingを「状況説明」という訳語で、for〜の前置詞句をbriefingを修飾するように辞書登録してみましょう。
      品詞を「名詞」にするとこのように、パターンと意味素性を登録できるようになります。(図3)
        
          
            | 原文: They held a briefing for the press. 一次出力: 彼らは、報道関係者のために打ち合せを行った。
 |  (図3)ここで意味素性を指定します。意味の情報を付加することによって、動詞の訳語をコントロールすることができます。「追加...」のプルダウンメニューを表示すると指定できる意味のカテゴリーが表示されるので最も近いと思われるものを選択します。(図4)
  (図4)パターンは、「名詞+前置詞句」と「名詞+to不定詞句」が設定できます。
  ここでは前置詞句の設定をします。(図5)
 (図5)パターンで「名詞+前置詞句」を選択すると、前置詞のプルダウンメニューと、前置詞の目的語の意味素性そして前置詞の訳し方を指定できるようになります。前置詞を「for」に、目的語の意味を「組織・機関」に、前置詞の訳を「に対する」と指定しました。(図6)
  ここで「登録内容」の欄を見てください。辞書ソースのところで説明したフォーマットで自動的に記述されています。
 (図6)これで「登録」ボタンをクリックして登録完了です。「閉じる」ボタンをクリックして辞書登録画面を閉じます。
  早速、再翻訳してみましょう。図7の文番号1は辞書登録前の出力、文番号2は辞書登録して出力した訳文です。うまくいきました。
 (図7)
  動詞動詞はうまく登録すると、文章全体の翻訳正解率をアップすることができます。文の構造を決定する重要な品詞だと言えます。
 以下の文で、「犬にいくらかの食物を押しやった」と訳出するように動詞の登録をして見ましょう。
 
      「〜に〜を押しやる」というパターンになるので、「動詞+目的語+前置詞」を選択してあります。(図8)
        
          
            | 原文: Martin shoved some food at the growling dog. 一次出力: マーティンは、うなっている犬でいくらかの食物を押した。
 |  動詞の目的語と前置詞の目的語の意味素性を設定できますが、限定しても効果がないようなので指定していません。例えば、コーパスを使って実例を集め、「食べ物を動物に押しやる」という傾向がはっきりとわかれば、そのように意味素性を付加しても良いでしょう。
 (図8)登録した辞書を反映させて再翻訳してみました。(図9)
  文番号1の一次出力では完全に誤訳になっていますが、ユーザ辞書を反映した文番号2では正しい訳が出力されています。
 (図9)動詞のパターンは以下のようにほとんどの形が設定できるようになっています。
  非常にたくさんあるので登録方法は解説しませんが、辞書登録の練習には、高校生向けの英文法の参考書や学習辞書の例文を利用するのが良いでしょう。恐らく以下のような用語を使って分類しているはずです。
 
      
        
          
            | 動詞+目的語 動詞+前置詞句
 動詞+副詞
 動詞+副詞+前置詞句
 動詞+名詞補語
 動詞+形容詞補語
 動詞+間接目的語+直接目的語
 動詞+目的語+前置詞句
 動詞+副詞+目的語
 動詞+目的語+名詞補語
 動詞+目的語+分詞補語
 動詞+目的語+形容詞補語
 動詞+目的語+that節
 動詞+目的語+to不定詞句
 動詞+that節
 動詞+to不定詞句
 動詞+動名詞
 動詞+疑問節
 |  形容詞細かいニュアンスを出すために重要な役割を果たしているのが形容詞です。特に形容詞+名詞の連語は大変重要です。こつこつと登録していくと訳文の質が大きく向上します。
 
 以下の文で、「彼らの話について懐疑的だった」と訳出するように形容詞の登録をしてみましょう。
 
      図10のように「形容詞+前置詞句」のパターンを選択し、前置詞の訳を「について」とします。
        
          
            | 原文: I was skeptical of their story. 一次出力: 私は、彼らの話で懐疑的だった。
 |  前置詞の意味素性は指定していません。
 (図10)それでは早速、再翻訳してみましょう。(図11)
  「私は、彼らの話について懐疑的だった。」と訳出されました。決してこなれてはいませんが、一次出力の「彼らの話で懐疑的だった。」よりは意味のよくわかる訳になっています。
 (図11)形容詞も多くのパターンが用意されており、丁寧に登録すればかなり細かいニュアンスも表現できそうです。
  
      
        
          
            | 形容詞+前置詞句 形容詞+to不定詞
 形容詞+名詞
 形容詞+動名詞
 形容詞+that節
 形容詞+疑問節
 |  副詞副詞も訳語をいろいろと工夫できます。良い訳を思いついたらすぐにユーザ辞書に登録しておきましょう。
 以下の文で、「無計画に」を「あてどなく」と訳すように副詞の登録をして見ましょう。
 
      副詞は詳細登録では「訳語に否定の意味を含める」 設定しかありませんので、結局「簡易登録」と同じです。訳語を入力して「登録」ボタンをクリックします。(図12)
        
          
            | 原文: She felt she had been drifting haphazardly, with no plan or purpose. 一次出力: 彼女は、計画または目的なしで、彼女が無計画に漂っていたのを感じた。
 |  (図12)再翻訳すると文番号2のようになります。(図13)
  (図13)
  前置詞at、by、in、ofなどの単純前置詞をわざわざ登録することはないと思いますが、他の品詞からきて前置詞の働きをするもの(例えば、during、opposite、despite)などや、複数の語が集まって1つの前置詞となるものなどは登録することがあるでしょう。
 次の文で、「あなたのおかげで」を「あなたのせいで」と訳すように前置詞を登録してみましょう。
 
      前置詞のパターンには「名詞を修飾する 」と「動詞を修飾する 」があります。この場合は、「〜のせいで→使った」と動詞を修飾しているのでそのように指定しました。(図14)
        
          
            | 原文: Thanks to you, I spent all my money. 一次出力: あなたのおかげで、私は全ての私のお金を使った。
 |  (図14)再翻訳すると文番号2のようになります。(図15)
  (図15)
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