PC-Transer活用法
翻訳メモリ機能の使い方
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● 文型登録

 翻訳メモリの利用法は、翻訳メモリ画面で一件ずつ検索する他に、対訳エディタ上で一気に置き換えてしまう方法があります。その場合、対訳エディタの「設定」画面で訳文の生成方法を指定できます(図3)。

<図3>翻訳設定画面
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 ここでは、完全一致文検索の他に、文型一致、類似文の検索が指定できます。類似文検索については、翻訳メモリ設定での「検索範囲」指定が反映されます。範囲をあまり広くするとまるで関係のない訳文が出力されてしまいますので要注意です。
 実際に使ってみると分かりますが、「完全一致文検索」というのはマニュアルやカタログなどの、それも改訂版の翻訳でないと意外にヒットしないものです。まったく同じセンテンスが何度も表われるような文書はそう多くはないのです。むしろ一括検索の場合は、「文型一致検索」の方が効果的です。変化する部分をタグに置き換えて翻訳メモリに登録しておくことによって、同じようなパターンの文章が来た場合、訳文の構造はそのままで、変化する部分のみを機械翻訳で訳してタグの部分に挿入し、訳文全体を完成させるという翻訳ソフトならではの機能です。
 文型登録は翻訳メモリ画面で行います。まず英文の変化する部分を選択して「タグ」ボタンをクリックし、次に訳文の対応する部分を選択して「タグ」ボタンをクリックするだけです。変化する部分が複数ある場合はこの操作を繰り返します(図4)。

<図4> 変化する部分にタグをつける
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「文型一致検索」を指定して対訳エディタで訳文生成を行い文型一致した場合、訳文中の変化しない地の文が色分けされて表示されます(図5)。

<図5> 文型一致検索による訳文生成
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これまで翻訳ソフトは、主に高速下訳作成ツールとして利用されてきましたが、これからは翻訳メモリを迅速に作成するためのツールとして作業工程にも工夫を凝らす必要があります。翻訳メモリを蓄積し活用することで翻訳業務の飛躍的な効率化が図れます。


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