翻訳ソフト活用マニュアル

連載予告編

 前回の連載「翻訳ソフト徹底活用」では翻訳者向けの製品に搭載されている数多くの付加機能を一つずつ取り上げ説明しましたが、次号からは視点を変え「翻訳ソフト活用マニュアル」と題して、翻訳作業の流れに沿ってどのように翻訳ソフトの機能を総合的に使えば良いかを6回に渡って解説したいと思います。
小室誠一
バベルMT研究会 

 今回も翻訳ソフトは「PC-Transer V10」を取り上げますが、「業務用」であれば他のソフトでも応用できるはずです。
 ここで、「業務用」翻訳ソフトの最低条件を挙げておきましょう。

1. 出力される訳文が一定以上のレベルであること

 リライトが前提ですのでそれほどハイレベルである必要はありませんが、あまりにもでたらめな訳文だとリライトする気がなくなります。翻訳ソフト情報サイトのGreen and White (http://homepage2.nifty.com/oto3/)で訳文を比較して見ましょう。総合的に見ると上位のものはそれほど差がありませんが、品質の悪いソフトははっきりとわかります。

2. 出力スピードが速いこと

 設定を変えたり辞書を登録したりして何度も訳文の出力を行いますので、スピードが遅いとかなりのストレスになります。

3. 高機能な「対訳エディタ」が搭載されていること

 出力文を「翻訳」レベルに編集するには、操作しやすい多機能な対訳エディタが不可欠です。

4. 高機能な「辞書ツール」が搭載されていること

 大量の登録が一括でできる機能と意味情報や文法情報を付加できる詳細登録機能が必須です。

5. 対訳データベース(翻訳メモリ)機能が搭載されていること

 リライトした訳文を再利用するための対訳データベース機能が付いていなければ、もはや業務用とは言えません。

6. 頑強なシステムであること

 少量の文章であればさくさく動くものの、まとまった分量の文章だと途中で止まってしまうようなソフトは論外です。ソフトを選ぶときは3万語程度の英文で試して見ましょう。

クロスランゲージのホームページ
http://www.crosslanguage.co.jp/

 バベルMT研究会が発足した1997年当時は翻訳ソフトを使っている翻訳者はまだ少数でしたが、機能の向上と価格の低下などにより現在では広く使われるようになりました。ただ、まだまだ十分に活用されているとは言えないようです。おそらく実際の業務の流れに合わせた使い方の説明が付属のマニュアルに十分に書かれておらず、メーカーのWEBサイトにも「活用事例」はあるものの、具体的な使い方の説明がないのが一因かもしれません。
 この連載では、できるだけ具体的に翻訳ソフトの使い方を解説したいと思います。ただ、紙面が限られていますので、eとらんす紙上では基本的な操作の流れを説明するに留め、GKGのWEBサイトでスクリーンショットを多数取り入れて詳細に解説することにします。こちらは「翻訳ソフト実践ワークショップ」と題して、eとらんすの「翻訳ソフト活用マニュアル」を片手に、実際に操作してみたくなるようなページにする予定です。
 初めて翻訳ソフトに挑戦する人はもちろんのこと、これまで何度も使おうと思って挫折してしまった人にも楽しんでいただける連載にします。ご期待ください。

月刊 「eとらんす」 2003年10月号掲載  Copyright© 2003 Babel K.K. All Rights Reserved.  

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