10. オフィスアドイン翻訳機能

トップ 検索 PDF RSS ログイン

オンライン講座
>>PC-Transer 翻訳スタジオ活用法

10. オフィスアドイン翻訳機能

皆さんは、マイクロソフトのWord、Excel、PowerPoint形式の原文ファイルを受け取って、訳文を上書きする仕事をどのように処理していますか? PC-Transer 翻訳スタジオにはオフィスアドイン翻訳機能が搭載されています。今回は、アドイン翻訳を上書き翻訳にうまく活用する方法を検討してみましょう。


以前は、PC-Transerのオフィスアドイン翻訳では、デフォルトの機械翻訳文しか出力されず、修正に手間がかかったので、あまり積極的に利用していませんでした。ところが嬉しいことに、翻訳スタジオ2007のバージョンアップで、翻訳エディタで設定した辞書や翻訳設定、そして翻訳メモリをアドイン翻訳に反映することができるようになりました。
これまで筆者はWordの上書き翻訳の際には、翻訳エディタで翻訳を完成させ、Wordの原文に訳文を一文ずつコピー・アンド・ペーストしていましたが、最近ではレイアウトがシンプルなものはアドイン機能を使って効率化を図っています。

それでは、アドイン機能を使ったWordファイルの翻訳手順を見てみましょう。

●準備作業

Wordファイルは、そのまま翻訳エディタに読み込むことができます。
メニューの「ファイル」→「開く」で、ファイルの種類を「Wordファイル」にして開いてください。

 
ファイルを読み込んだら、辞書登録、中間編集、後編集などを作業手順に従って行い訳文を完成させます。

原文と完成した訳文を翻訳メモリに登録します。
メニューの「翻訳メモリ」→「登録」→「一括登録」をクリックします。

「翻訳メモリ一括登録」画面が開いたら、対象とする範囲の「すべての文」にチェックが入っているか、文の条件の「翻訳ロック」にチェックが入っているか確認して「OK」ボタンをクリックします。ここでは、訳文をすべて修正して、すべての文に翻訳ロックがかかっていることを想定しています。文の条件にはこの他、「ロックなし」「ユーザーロック」「ブックマーク」がありますので、状況に応じて選択してください。

これで準備が整いました。翻訳ファイルを保存して、翻訳エディタはそのまま開いておきます。

●アドイン翻訳の実行

ここでWordを起動して原文ファイルを開きます。

WordのツールバーにあるWordアドイン翻訳の「モード変更」ボタンをクリックして、英日翻訳の場合なら、「英語 - 日本語 [翻訳メモリ]」を選択します。

グリーンの三角ボタンをクリックして文書全体を翻訳します。

翻訳が完了すると、原文と訳文がそれぞれ左右のウィンドウに並んで表示されます。このまますぐに確認作業に入れるので便利です。レイアウトの崩れがないか、訳文が正しく貼り込まれているかをチェックしましょう。

表示方法は、翻訳結果の出力先を原文ウィンドウに表示する、原文と訳文の両方を表示するなど「アドイン設定」で変更することができます。

訳文を変更する場合は、翻訳エディタで修正し、翻訳メモリに登録してから再度アドイン翻訳することで、訳文の管理がしっかりできます。アドイン翻訳はあくまでも訳文の上書き作業用と考えるべきです。Word上で訳文を修正するのは最終的な仕上げの時だけにします。

●その他のファイル

アドイン翻訳は、他にもExcelやPowerPointでもできますが、ExcelとPowerPointは直接翻訳エディタで開くことができないので、それぞれのソフトで原文ファイルを開いてコピー・アンド・ペーストします。

どちらにしても、まず翻訳エディタで翻訳を済ませ、翻訳メモリに登録してからアドイン翻訳を実行することが肝心です。

PowerPointのアドイン翻訳では、テキストボックス内のフォントサイズを自動調節してくれるので、レイアウトの崩れがほとんどありません。一度試してみてください。

ついでにIEアドイン・ホームページ翻訳にも触れておきましょう。
Internet Explorerのアドイン翻訳は思ったより便利です。WEBページを閲覧するときに、翻訳エディタも開いておきます。WEBページをアドイン翻訳して訳文が分かりにくい時は、辞書を変更してみましょう。原文を対訳エディタにコピー・アンド・ペーストして「専門語辞書自動選択」を行えば、適切な辞書を迅速に設定できます。また、固有名詞などを登録したり、頻出文を事前に翻訳したりして翻訳メモリに登録しておきます。このようにしてから再度アドイン翻訳すればかなり分かりやすい訳文が出力されます。斜め読みのツールとして十分実用的です。

WEBの閲覧ではなくHTML翻訳を行う場合は、アドイン翻訳を使わずに、翻訳エディタでファイルを開きます。HTMLのタグを保持したまま翻訳作業でき、完成したら元のレイアウトのままHTMLファイルに訳文を出力できます。

このように、PC-Transer 翻訳スタジオには色々な翻訳方法があります。使用目的によってどの方法を選ぶかを決めるのはもちろんですが、それぞれの方法に合った作業手順を考えることが活用のポイントとなります。


記事の内容は筆者自身のノウハウに基づいております。記事の内容によって万一損害を被ることがあっても一切責任を負いません。また、この記事の内容に関して発売元の株式会社クロスランゲージへの問い合わせはご遠慮ください。(小室誠一)

最終更新時間:2008年02月26日 18時15分58秒